老人ホームでは、利用者同士での共同生活になります。
そのため、プライバシーの保護がきちんとされているのか不安になる方もいると思います。
今回は、老人ホームにおけるプライバシーの保護はどのようになっているのか見ていきましょう。
■職員の守秘義務は絶対!
老人ホームのスタッフは、利用者に関する情報をたくさん取り扱っています。
利用者の家族構成や連絡先はもちろんですが、既往歴や持ち込んだ現金の金額、アレルギーなども個人情報になるので、外部に漏らしてはいけません。
このようなプライバシーにかかわる情報は、個人情報保護法や医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドラインに従って、管理しなければいけないのです。
老人ホームによっては、このような制度が制定されたことで、独自のプライバシーポリシーをホームページなどで掲載している場合もあります。
また、老人ホームを利用してる方は要介護状態などで手伝いがなければ、排泄や入浴ができない場合が多く、恥ずかしさを訴える利用者もいます。
そのような利用者に対して、どうしたらその方の恥ずかしさを軽減することができるのかを考えて対応することも、プライバシーの保護につながります。
■4人部屋などではプライバシーを守られていないと感じる場合も
老人ホームの運営にかかわることだけではなく、入居している利用者同士のプライバシーも守らなければいけません。
従来型の特別養護老人ホームや介護療養型医療施設などでは、4人部屋などの多床室もあり、1人の時間が過ごせなかったり、介護されている様子を見られているようで嫌だと感じる利用者もいます。
羞恥心から自分のベッド上でこもりがちになってしまう可能性もあるでしょう。
しかし、多床室のメリットもあります。
それは、1度の巡回の中で手厚い介護をできるようになるということです。
■個室やユニット型はプライバシーが守られやすい
老人ホームの中には、ユニットケアをしている老人ホームもあり、個室や半個室のような環境で生活できる場所もあります。
サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームは特に、プライベートな空間で過ごしやすい施設形態と言えるでしょう。
しかし、スタッフが巡回に来たり、隣の部屋の話声が聞こえる可能性があるなど完全に自宅で過ごすのと同じような生活はできなくなってしまうかもしれません。
また、食事や入浴は共同の食堂や大きなお風呂を利用する場合が多く、ずっと1人の時間を過ごすということは難しくなってしまうでしょう。
しかし、きちんと個人で過ごすことができる空間があるのは、プライバシーを保護するためには、大切なことと言えます。
どのような形態の老人ホームであっても、基本的なプライバシーは保護されるように配慮されています。
利用者の意向も配慮しながら、どのような形態の老人ホームに入居するか決めると良いでしょう。