老人ホームに入居する際には、住民票を移行するケースが一般的になっています。
老人ホームへの入居が決まったら、市役所などに届出をしなければならず、その中の1つに住所の変更があります。
しかし、場合によっては住所を変更しなくても良い場合もあるので、老人ホーム入居時に住民票をどうしたら良いのか解説していきます。
■老人ホーム入居時の住所はどうする?
住所は、住民票がある場所が基本になるので、老人ホームへ入居する際には住民票の移行が必要になります。
しかし、老人ホームの種類によっては住所地特例制度を利用することができ、住民票の移動が不要な場合もあります。
また、老人ホーム入居後に必要であれば移行するということも可能です。
■住所地特例制度って何?
介護保険を使ってサービスを受ける場合、住民票に記載されている市町村の保険者となり、その市町村から介護保険の給付を受けます。
しかし、住所地特例制度を利用することで、移動前の市町村が保険者のままとなります。
これは、老人ホームなどの介護施設が多い地域では市町村の財政的な負担が大きくなってしまうことを防ぐために設けられた制度です。
老人ホームの利用者にとっても、住民票がある地域以外でも現在住んでいる地域と同じ料金で入所できる可能性があるというメリットがあります。
住所地特例制度の対象となる施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、ケアハウス、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などです。
具体的にどの施設が対象となっているかについては、厚生労働省のページで確認することができます。
また、住所地特例制度を利用する際には、介護保険住所地特例適用・変更・終了届を市町村が定めた期間内に提出しなければいけません。
■住所変更のメリット・デメリット
住民票を移行させることのメリットやデメリットがあります。
まずメリットは、現在住んでいる市町村と入居予定の施設がある市町村の介護保険料などを比較し、安くなる場合はメリットがあると言えるでしょう。
しかし、住所地特例制度の対象になっているかどうかを確認しておくことで、住所変更をしない方が良い場合もあります。
デメリットは、住所地特例制度を利用すると便利ではありますが、利用者宛の郵便物が老人ホームに届かなくなってしまいます。
また、サービスによっては住民票がないと受けることができない住民が対象になっている物もあり、そのようなサービスは受けることができません。
住所を移行させるのも、住所地特例制度を利用するのもどちらもメリットやデメリットがあります。
どのような方法を選択するのがベストか悩んでいる方は、市役所の窓口や老人ホームに相談してみると良いでしょう。