老人ホームへの入居を検討する際に、料金面が不安という人も多いでしょう。
老後の収入が年金のみという高齢者なら、なおさら年金のみで安心して入居できる老人ホームがあるのか気になるのではないでしょうか。
少ない予算で入居できる老人ホームについてご紹介します。
■老人ホームの相場と高齢世帯の収支
有料老人ホームへの入居には高額な費用が必要というイメージがあります。
しかし、最近は入居一時金が無料の老人ホームも増えてきました。
全国の老人ホームの料金相場としては、入居一時金が10万円程度、月額利用料は14万円程度です。
ただし、首都圏や大都市の相場は高く、地方ほど安い傾向があります。
高齢夫婦世帯(無職)の月平均収入は約20万円です。
対して、支出の平均は26万円なので、計算上では約6万円程の赤字が毎月続くことになります。
厚生年金の平均受給額が14万円前後、国民年金で約5万円です。
資産の状況により、入居できる老人ホームや、入居に使える費用が決まってきてしまいます。
■少ない予算で入居できる老人ホーム
少ない予算で入居できる老人ホームを確認してみましょう。
・地方の老人ホーム
老人ホームの相場は、都道府県によって異なります。
青森県や宮崎県、高知県や大分県など老人ホームの料金相場が安い地域なら少ない予算で入居できる老人ホームを探しやすいでしょう。
・特別養護老人ホーム
立地が譲れない場合、比較的安く入居可能な施設は特別養護老人ホームです。
特別養護老人ホームは、要介護度3~5の人を対象としています。
入居一時金は不要で、月額利用用金は8~12万円前後となります。
特別養護老人ホームの1割負担で基本料金を試算すると、月額で必要になる金額は多床室で8.3万円~9.1万円、従来型個室で9.2万円~10万円、ユニット型個室的多床室で10.9万円~11.7万円、ユニット型個室で11.9万円~12.7万円となります。
要介護度により基本料金が異なります。
入居条件が合えば、特別養護老人ホームは比較的安い料金で入居できる施設です。
・グループホーム
入居一時金が安い施設としては認知症の人を対象としたグループホームが挙げられます。
ただし、グループホームは月額利用料が10~30万円となり、少ない予算で入居し続けることが可能な施設とはいえないでしょう。
・ケアハウス
ケアハウスは入居者の年収によって月額利用料が変わります。
自治体の助成で運営される老人ホームなので、入居費用も民間の施設と比較して安く設定されています。
年収が少なければ月額利用料が安くなるので、年金のみで費用を賄いたい場合におすすめです。
将来的に、自分の老人ホームへの入居、あるいは親の老人ホームへの入居を考えているなら、資金についても前もって考えておくことが大切です。
早めに資金計画をスタートすれば、より多くの選択肢の中から希望に合った老人ホームを選べるでしょう。